漢字に見る私達の仕事

漢字に見る私達の仕事

私達の仕事は、「精麦」の加工および販売です。

しかし、私達の仕事がなぜ精麦業と名付けられたのか、精麦とはどういう意味かつい最近まで解りませんでした。

ある時、漢文の先生に「中国人は文字を大切にする国民で、漢字には魂が込められている」という話を伺いました。

会社の創立60周年を契機として、私達の仕事に関する穀物や精麦には元々どのような意味が込められているか漢字の本を探していたところ、朝日新聞が出版している朝日選書のなかに、藤堂明保さんが穀物類の漢字について解説していらっしゃいました。古代中国の人々が「麦」や精麦の「精」という漢字に込めた魂を調べてみました。

大麦と小麦は今から12000年前、現在のヨルダン地方で栽培が始まり、ここからギリシャ、ローマを経てヨーロッパへ、中央アジアを経て中国、日本へと伝えられました。中国に伝来したのは今から3000年前、前周王朝の時代で「金文」という漢字が作られた頃です。

麦について

麦はそれまで食べていたアワやヒエとは比べ物にならぬほどおいしい食べ物でした。
それで周の国の人々は「來」という字に「夂」を添えて「麥」という字をつくりました。
上部の「來」はたっぷりと実った穂が垂れた麦。その下に歩いてくる足の形「夂」を添えて、「神様が遠方より届けて頂いた大切な贈り物」という思いを込めました。


精について

精麦の「精」は米と青から、そして「青」は生+丼からなっています。
「生」は土の上に草の芽が生えていること、「丼」は四角い井げたの中にきれいな水が湧いて「汚れなく澄みきっている」様子を表しています。
晴れは日+青で澄みきった空、清は水+青で澄みきった水、そして精には精白して澄みきった米という意味が込められています。


精麦について

精麦の流れ

私達は国内産麦と共に外国産麦も加工しています。
麦によって異なりますが、石・鉄片・茎や豆・野生種子など異物が混入しています。味噌ではこの異物が最終製品に混入してしまいます。また焼酎では最終工程で蒸留しますが、雑味の原因となりお客様にご迷惑をかけてしまいます。そのため、私達は原料段階から最終工程まで、何度も機械にかけて異物を除去するよう努めております。
仕上がった麦を見ると汚れなく澄みきった麦、即ち「精麦」という漢字に込められた意味を体で感じることができます。

「神様が遠方より届けて頂いた大切な贈り物」だから汚れなく澄みきった精麦にしよう。
私達は精麦の原点を忘れずに日々の業務に取り組んでいます。